名古屋ステーション

所長メッセージ

精神科看護の専門性とは専門的知識や技術を用いて質の高い精神科看護の「実践」「相談」「指導」「知識の発展」の４つの役割を担っている事だと捉えています。
近年、精神疾患を有する患者数は増加傾向にあり、平成29年には約420万人と、傷病別の患者数では脳血管疾患や糖尿病を上回るなど、私たちの生活に身近な疾患となっています。

「入院医療中心から地域生活中心」の理念のもと、平成29年度から「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム（にも包括）」が推進されて6年が経過しました。この「にも包括」は、精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らすことができるように、医療、障害福祉・介護、住まい、社会参加（就労など）、地域の助け合い、普及啓発（教育など）が包括的に確保されたシステムのことで、高齢者の「地域包括ケアシステム」と同様に、区市町村を中心として構築を進めることが期待されています。

　地域保健では、疾病予防や疾病の早期発見および治療とともに、様々な法律等に基づいた多様な施策が関連しています。自死対策・虐待や暴力対策・生活困窮者支援・母子保健や子育て支援・発達障害支援といった多岐にわたる活動が展開されておりますが、その中で、私たち地域を担う精神科看護師はどのような役割が求められているでしょうか。その問いに常に向き合いながら「こころの健康課題について地域により貢献できる看護の実践」の法人理念のもと、みなさまのこころの健康を多くの職種とともに支え、より豊かなものとなるように日々努めていきたいと考えています。