福岡のセノーテ訪問看護ステーションの管理者、入江です。
今回の事例では「共依存」がテーマにあがりました。
共依存症者は、特定の依存症者に対して、自分を犠牲にしてまでも世話をしたり、依存者の行動を操作したりすると言われます。
自分のことよりも、他者の世話をすることに集中しすぎて、その人がするべきことまでも自分が背負い込んでしまう。
そのため、その人をより無責任にしてしまう形になるとされます。
共依存症者は、他者の世話をすることに存在価値を見出す状態、
「自分が世話をしないと、この人はダメになる」このような言動、
行動に至る背景には、誰かに必要とされたいという心理があると考えられます。
今回、共依存傾向である事例に対して、
感情をため込まず小出しに表出していける支援、
出来ないことは出来ないときっぱり言うこと、
「NO」を伝える力を向上させることの重要性を説明していくこと、
自分だけで解決しようとせず周囲のサポートを活用すること。
そして自分の失敗体験を許すこと、
頑張った自分自身を承認、賞賛していくことが重要であることを伝えていく。
他者との適切な距離感の獲得、
自己と他者を区別化していき共依存からの脱却を目指していくことが検討されました。
自尊心を持つこと、自己肯定感を持つことと通し、
今後、自分がどうすべきか、何をしたいかを明確にし、
本人の目指す目標に沿って支援していくことが重要であると考えます。
共依存は何らかの嗜癖のある人とその家族の間のみだけではなく、
私たちのような支援者にも起こりうることも十分に考えられると思います。
今回の事例を通し、自分自身の利用者、
家族への接し方を常日頃から意識しながらケアに努めていくことは重要であることに改めて気付くことができました。
Fusion株式会社 セノーテ訪問看護ステーション
精神看護専門看護師
管理者 入江正光