福岡のセノーテ訪問看護ステーションの管理者入江です。
今回の事例カンファレンスでは、「家族支援」がテーマにあがりました。
高揚感や被害感が強くなり、日常生活に支障をきたし、地域で問題が生じ、ひいては入退院を繰り返す事を余儀なくされたケースをどのように在宅で支援していくかを話し合いました。
まず、精神症状は何から生じるのか?
ケースの情報を整理していく中では、身体疾患も併存している点に着目し、器質的な側面から精神状態の悪化を招いている可能性はないか議論が挙がりました。
では、身体疾患がいつ頃発症したのか?
それを探るために詳細な生育歴を聴取しなおしてみる事や、身体疾患が及ぼす精神症状の理解を利用者本人はもとより、家族はどの程度持てているかを把握していくことの必要性が考えられました。
疾患を抱えながら地域生活を送る利用者の大きな支えとなる存在は家族ですが、冒頭で紹介した通り、精神状態の悪化から地域で問題行動を繰り返している状況から現在は家族との溝が深まっている状況。
ほぼ孤立無援状態であり、家族からのサポートは希薄な状況が伺われました。
家族調整を行い、利用者様、家族機能を回復させ再統合していく支援はどのようにおこなっていくことが必要か・・・
病気を抱え持つ利用者様を一番近くで支える家族の心境としては、不安や自責感といった精神的苦悩、支えていくための身体的負担や医療費などの経済的負担、精神病への偏見から社会からの孤立感など様々な苦悩を抱えていると思います。
家族看護に関する研究では、このような体験をしている中、家族自らが医療に携わるスタッフには表現できず察してほしいと思っている現状も明らかになっています。
そのため結論として、家族支援で重要な事としては、家族の心境をふまえ家族が安心できるような関わりをもつために、まずは話を傾聴し、不安感情や緊張を表出させることで軽減を図ること。
そして、これまでの苦悩をねぎらうことなど、情緒的支援を行い休息の促しを行うことを十分にしたうえで病気の正しい理解の促進を行い、今後の見通しを伝えていくことを実践していくことに至りました。
Fusion株式会社 セノーテ訪問看護ステーション
精神看護専門看護師
管理者 入江正光